日本映画

行方

寒かった冬がようやく終わろうとしている。人のいない方へと歩いていて、外食をすることもないのだが、北風に追われて駅前の富士そばに入りたくなることはある。そこには現金の券売機しかない。初期投資がかかり、手数料が発生し、維持費用もかかるので販売…

崔洋一監督の映画『月はどっちに出ている』は、新宿の映画館で観た。1993年の事だ。この国は多民族国家だが、そのことを認めようとしない人たちがいて、その中でも逞しく生きている人たちがいる。この社会は誰もが行き先を見失っているという事を描いた映画…

異人

山田太一の原作を再映画化したイギリス映画、”異人たち”が公開されている。監督の体験でもある80年代のゲイの人たちの心情が描かれていて後半はかなり原作と違うようだが、死んだ両親と出会う設定は変わらない。大林宣彦が監督をした”異人たちとの夏”は何度…

惜春

大河ドラマ”光る君へ”を観ている。陰謀と暗殺の日本史はわかるのだが、紫式部が主人公であれば、橋本治が桃尻語訳をした源氏物語や枕草子の”ギャルの力”を観ていたい。網野善彦が書いた、全国を流浪しいていた被差別民である芸能の民の”中世のネットワーク”…

銀河

『われらに要るものは 銀河を包む透明な意志 巨きな力と熱である』五木寛之は随分と昔から養生について書いている。最近も喉の違和感を感じながら、相変わらず病院には行ってないようだ。人は過ぎてしまえば忘れてしまうが、痛みや違和感は常に訪れる。明ら…

芸能

また小沢昭一の”日本の放浪芸”を聴いている。”花見風景”を聴くと、どこの名所にも各地から多くの流しの芸人が集まってきていた事がわかる。酒と煙草と音曲と踊り、あの頃の大人たち、年寄りは元気だった。そこにはパンクもラップもあった。芸能の原型は出雲…

放浪

小沢昭一の”日本の放浪芸”を聴いている。手元にある音源はお客がダビングしてくれたり、有線放送で録音したものがほとんどなので、手元に資料がない。”日本の放浪芸”が録音されたのは1970年の頃だと思う。”三河万歳”などの門付芸もまだ残っていた頃だ。その…

大林宣彦

ATGの映画が好きで、新宿文化に行っていたのは10代の頃だ。製作費はないが熱量だけがあった白黒映画の時代だった。どこで上映されたのかは忘れてしまったが、大林宣彦の16ミリの作品を観たのも同じ頃だったと思う。その頃の僕は、ロジェ・バディムやルイス・…

雀荘の息子

麻雀放浪記 ギャンブルはそれで生計をたてたり、一攫千金を夢見れば地獄だが、大きく負けなければいいと思えば他の趣味と比べてもまったく金のかからない遊びで頭の体操にもなる。もっともパチンコとカジノに関しては回収する方法は私には見当もつかない。店…

無用の美

一億総活躍などという言葉が何の羞恥心もなく使われる日が来るとは思わなかった。生産性や有用性では事物は測れず、むしろ無用のものこそ美しい。 ジョルジュ・バタイユ『至高性』 ジョルジュ・バタイユ『至高性』

銀河鉄道の夜

わびしさやせつなさやはかなさ、そして尽きることのない孤独が人生は面白いと思わせてくれる。それとまったく同じ感情がヘイトや絶望を生む。その果てしのない隙間を埋めるために表現はあると思えた。僕も今を生きるすべての人と同じように、この天空に散り…

岡本喜八

岡本喜八わが映画人生 岡本喜八松岡正剛「しどろもどろ」

セシウムと少女

セシウムと少女公式サイト知久寿焼公式サイト

ぼんとリンちゃん

ぼんとリンちゃん公式サイト ラジオで山本晋也が絶賛していましたね。志ん生かあ。