昼寝


暑い午後、それでも窓からはいい風が入ってきて、昼におきたばかりなのだがとりあえず何もせずまた昼寝をしておこうという毎日だ。隣で長くなり欠伸をしている猫をぼんやりと眺めながら、とりとめのない事を考えている。散歩の途中、町の小さな公園のベンチで一服していた時の事だ。足元では数羽の鳩がのんびりと餌をついばんでいて、砂場の縁にはそれをみながら、まったく動かない猫がいた。のどかな光景だと眺めていると突然、猫が一羽の鳩を咥えて走り去って行った。もし野良として生きていたら、私にはそんな才能はとてもない。明け方に近い深夜に、コンビニに行こうと部屋をでると、驚くほどの数の野良猫の集会に出くわした事もあった。顔見知りの猫もいたが、会話を止めた猫たちの間を押し黙って通り抜けた。私があの中にいたとしたら、うまくやれる社会性があるとはとても思えない。もし私が野良として生きていたら・・・。たぶん誰かのおこぼれにあずかりながら放浪を続け、その果てにどこかで野垂れ死ぬのだろう。うつらうつらしながら、そんな事を思っていた。酔生夢死でいい、他に何があろう。