愛の唄


どうしても思い出せない事柄があり、そういえば以前に”旧おすすめ動画”に載せたことがあったと数年ぶりに開いてみると、もう観ることができなくなっていた。動画の貼り付けができなくなってこちらのサイトに移転したので、貼り付けがあるブログは閲覧不能になったのだろう。入院したKの気晴らしのために始めた”旧おすすめ動画”だが、ほぼ毎日のように更新をしていた。その事がなければ、YouTubeをあんなに観る事もなかっただろう。思いつくままの単語を(海外のものは原語に戻し)ファイルに溜めておき、時間が空いた時に検索をしてみた。するとジャン・ジュネマン・レイといった映像作品からその関連動画へと、今まで本の中だけの知識で実際には観る事ができないと思っていた映像が次々と現れた。それもまた忘却の彼方だ。検索した言葉ももう覚えていない。いつか消えてゆく個人の歴史は忘却と空想の愉悦の中にある。あの頃の数年ももう幻のようだ。しかし国家の歴史は検証され続けなければならない。そして表現の歴史も同じだ。社会と戦いたいわけじゃない。戦うべきは社会の常識なのだ。