深夜の電車


缶ビールとカップ酒をチビチビ飲りながらの休日散歩の帰り、電車に乗るとぐっすり寝てしまった。しばらくして目をさますと、左肩の上には女性の頭が、右肩の上にはゴツイ男の頭がのっていた。”寄り添いながら眠っている猫たちとまったく変わらないなあ”と思いながら、またすぐにうつらうつら。降車駅に着き、”この人たちはどこで降りるのだろう”と、熟睡中の二人を起こさないようにそっと立ち上がった。行儀よく規則正しく息苦しい世の中だ。たまには、"終電も終わった終着駅で乗り過ごした二人が呆然と顔を見合わせる"なんて事があったっていいんじゃない。