大林宣彦


ATGの映画が好きで、新宿文化に行っていたのは10代の頃だ。製作費はないが熱量だけがあった白黒映画の時代だった。どこで上映されたのかは忘れてしまったが、大林宣彦の16ミリの作品を観たのも同じ頃だったと思う。その頃の僕は、ロジェ・バディムルイス・ブニュエルらの映像で果てしない迷宮へと誘なわれていた。大林宣彦の映画もそうだった。その後の彼の、初期の劇場用映画は映画館で観ている。今では”理想や幻想よりも現実を見ろ”という時代だ。しかし見えているというリアルには現実感がない。運転をしている車と同じように、人は見ている景色の方へと動いていく。今の若い人たちが見ている風景はどう変化していくのだろうか。

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