ルーチン


店の営業時間から解放されれば随分と自由になると思ったが、生来の夜型の生活がますますひどくなり、猫化が進んでいる。何かをするには前日や翌日へのしわ寄せが面倒だし、早く起きるのも億劫だ。そういえば、子供の頃からおせちや初詣と普段と様子が変わる正月はよく具合が悪くなった。記念日やサプライズは大嫌いだ。何処へ行こうが何をやろうが、それもまた単なる日常にすぎない。非日常は想像力の中にしかないのだ。休日の散歩は冬の荒天でも変わらずに行く。正月も店の営業をするようになり、時間もないので年賀状はとうの昔にやめた。長年ご無沙汰しているあの人は元気でいるのだろうかとふと思いながら、ポットの熱燗を猪口でチビリとやる。もうすぐ大寒の頃、凍える雪見酒もまた楽しい。