ROCK IS


美術手帖が「ROCK IS」という特集を組んだのは1970年の事だ。「変革の担い手たち」という特集を組んだのも同じ年だったように思う。「変革の担い手たち」は美術だけでなく音楽文学演劇漫画、その他のさまざまなジャンルの新しい表現者たちを特集したものだ。あの頃は何もかもがROCKだった。その視点で視れば、退屈に思えた古典もまたROCKだった。その後、音楽としてのROCKはすぐに行き詰まり、未成熟の代名詞になる。成熟とは諦念で、未成熟とは欲望だ。人はその間を行ったり来たりしている。