外国映画

青春

ステレオが家にきた子供の頃に買ったLPの中に、フルトヴェングラーとベルリンフィルの”運命”もあった。ヒトラーとナチスへの熱狂の中で演奏したフルトヴェングラーや演奏家は何を思っていたのだろうと、細部を聴きたかった。芸術がただの緻密なリアリズムで…

幸福

都心散歩をしていた頃がある。どこかに行き、何かをしたいというようなことではなく、江戸の坂といった本を読み、ただ歩き、路地裏の割れた植木鉢の木が大木に育っている事に、ただ感心したりしていたのだった。この3月でテレビの”タモリ倶楽部”が終了した。…

crush

J・G・バラードの”沈んだ世界””燃える世界””結晶世界”が発売されたのは1960年代の終わりで、10代の頃に読んだ。破滅していく世界の静寂と美にあっという間に引き込まれた。その頃、山野浩一が雑誌『NW-SF』 を創刊し、その後サンリオ文庫が発刊され、SPECULA…

ヤオイ

中島梓は”ヤオイ(ヤマなしオチなしイミなし)”とは『”イミ”をもとにして構成された現代民主主義社会の根本原理に対するアンチテーゼ、反逆のテーゼである』と書いた。男同士のらぶらぶなホームドラマを否定し、”性と暴力””人間性の深淵”を描くヤオイには他の…

自由

鶴瓶の深夜番組を観ているとゲストのイッセー尾形が、"巷の気になる人"という事で何度か行った事があるという四国の古本屋を紹介していた。外観は今時風の洒落た造りなのだが、くわえ煙草で珈琲好きの店主が山になった雑多な本に埋もれていた。こんな道楽の…

ゾンビ

『われわれの美徳は、ほとんどの場合、偽装した悪徳にすぎない』 ラ・ロシュフコー ロメロのゾンビ映画を観たのは新宿伊勢丹の交差点近くにあった映画館だった。それまでのゾンビ映画は、南の島に行った白人の前にブードゥー教の呪術で蘇った死者が現れ…とい…

カッコーの巣

仕事が終わった深夜、一杯やろうとテレビをつけるとETV特集が流れていた。福島原発の帰還困難地域に5つの精神病院があり、そこの長期の入院患者のほとんどすべてが転院先で入院の必要なしとされたというのだ。世界中の精神病院の病床の2割が日本にあり、入…

愛の唄

どうしても思い出せない事柄があり、そういえば以前に”旧おすすめ動画”に載せたことがあったと数年ぶりに開いてみると、もう観ることができなくなっていた。動画の貼り付けができなくなってこちらのサイトに移転したので、貼り付けがあるブログは閲覧不能に…

渚にて

テレビをつけると女性代議士のどうでもいいような問題がまた垂れ流されていた。そして今日は、同じ方向を向いているこの国の総理と都知事の顔が画面に映し出されていて気分が悪くなる。しかし、NHKスペシャルが取材した「沖縄と核」のような問題が報道番組で…

シンギュラリティ

レイ・カーツワイルのいう”技術的特異点”は2030年代にも起こりうるとラジオで誰かが語っていた。コンピューターが人間の頭脳を超えてしまえば理解不能になり、理解するにはコンピューターと融合するしかない。それがポストヒューマンだ。肉体を捨てれば、い…

国のない男

『われわれはわれわれの兵士たちに対してもきわめて非人間的な扱いをした。宗教や人種のせいではなく社会的階層が低いという理由で。貧乏人はどこにでも送りこんでしまえ。どんないやなことでもやらせればいい。それが簡単でいい。オライリーの番組でもそう…

巴里祭

巴里祭 店を始めた頃からのお客だったIさんの事はよく覚えている。平日の昼間にフラリと顔をだし、いかにも自由な趣味人という雰囲気を漂わせていた。数駅先の町に住み、ライターをしていると話していた。何年か経った頃に、「これ、今度だした本」と見せて…

ドロップ・アウト

ウディ・ガスリー/わが心のふるさと 時々、自転車で店の前を通っていたAさんは、家庭ででた不用品を引き取るなどして生計をたてていた。そんなある日、ご機嫌な様子で顔を出すと、自分でリサイクル店を始めると言ったのだ。場所が駅からはとても歩いてはいけ…

BLOW-UP

radikoをつけて仕事を始めると、「3時からの伊集院光の週末TSUTAYAに行ってこれ借りようのゲストは浅井慎平さんです」と聴こえてきた。浅井慎平だったらきっと、アントニオーニの「欲望」を選ぶんじゃないかなと思った。人の感覚はいくつになっても、そんな…

ハリーとトント

この映画を観たのは20代前半の頃だ。居場所をなくした老人が猫と旅をする。その時、こんな風に生きられればそれでいいじゃないかと思った。店もないような淋しい町で一人暮らしをしていた頃の事だ。駅からの帰り道、ふと振り返ると白い猫がついてくる。その…

ソルジャー・ブルー

ソルジャー・ブルーサンドクリークの虐殺国家に正義などない。

コーヒーをめぐる冒険

コーヒーをめぐる冒険公式サイト 作家の珈琲365日、珈琲のない日など考えられない。

スケアクロウ

スケアクロウ映画 勇気がわきでるタバコ名場面 コンクリートとエアコンの室外機だらけの東京の、猛暑とゲリラ豪雨の時期に行われるオリンピックはどうなるのだろう。その時代錯誤のスタイルやデザインなどどうでもいいが、下町に行けばランニング姿で日がな…